秋の一日
「ただいま〜。・・・あれ、梨花さん、何やってるの?」
梨花「あ、遥さん、お帰りなさい。いえ、ただとても天気がよかったので、こうして日向ぼっこを、と」
「ふ〜ん・・・日向ぼっこ、ねえ」
梨花「あたたかくてとても気持ちいいですよ。遥さんもどうです?」
「・・・ふえっ!? あ、いや、あたしは結構ですっ。・・・あ、そうだ! 真帆たちと遊ぶ約束があったんだ。それじゃ、行ってきま〜す!!」
(じょ〜だんじゃないよぅ〜! 梨花さんの長話に延々付き合わされるなんてゴメンだからっ!!)
 (どたどたどた・・・・・・)
梨花「・・・・・・? 制服も着たままでしたのに・・・とても楽しみにしてるんですね」
 
 ・・・・・・・・・・・・
 
「ふぅ・・・ただいま〜。梨花さーん、お腹空いた〜。今日の晩ご飯は・・・あれ?」
梨花「・・・・・・くぅ・・・すぅ・・・」
「寝てるよ。・・・仕事はどうしちゃったんだろ?」
梨花「・・・すぅ・・・んふふ・・・」
(スゴク気持ちよさそうだなあ。起こしちゃ悪いかな)
 (たったったっ・・・・・・)
 
 (たったったっ・・・・・・ぱさ)
梨花「んん・・・すぅ・・・」
「(小声で)オヤスミ、梨花さん。いつもお仕事お疲れ様」
浩二「・・・なんだ、遥、帰ってたのか」
「しーっ! しーっ!!」
浩二(・・・な、なんだ?)
(何でもいいから、静かにして!)
浩二(・・・??? まあともかく、そろそろ夕飯の時間だから梨花君に・・・)
(今日はあたしが作るから、お父さんはさっさと家に戻ってて!)
浩二(いや、戻るにしても店の後片付けが・・・)
(それもあたしがやるから! ほら、早く!!)
浩二(お、おいおい・・・そんな押さないでおくれよ)
 (ぐいぐい・・・・・・ぱたん)
「今晩はゆっくりと体を休めてね、梨花さん」
 (ぱちん)
梨花「ん・・・・・・すぅすぅ・・・」

 

戻る ]  [ 「アヅマノムラクモ」トップに戻る